中学英語からまるっとおさらい!
大人の学び直し英語【7】
文構造 目的語は常に「~を」ではない
 
		動詞の目的語を解説する3回目です。目的語は日本語の「~を」に当たる部分だと覚えている人も多いと思いますが、いつもそうだとはかぎりません。英語を日本語との対応関係でばかり理解していると、どこかでつまずいてしまいます。今回は、間違えやすい目的語を見ていきましょう。
日本語と英語のズレ
日本語では「私は和食が好きです。」と言います。
英語では
I like Japanese food.
となりますね。
英語のlikeは動詞でJapanese foodは目的語のカタマリ。
しかし日本語の「好きだ」は動詞ではありません。動詞なら言い切る形がウ段で終わるはずですが、そうなっていません。「好きな食べ物」「好きじゃない」などと活用するところを見れば明らかなように、「好きだ」は国文法で言えば形容動詞です。第二言語としての日本語文法で言うと、ナ形容詞という言い方をします。
「~を好き」という言い方も口語などで出てきていますが、本来は「が」ですね。
自動詞/他動詞の分類も日本語とずれる
前回少し書きましたが、日本語では自動詞なのに英語では他動詞だったり、自動詞にも他動詞にも使われるが意味が少し変わったり、目的語として置くものが日本語と違っていたりする例は数多くあります。
こんなことがなぜ重要かというと、間違えると変なところに前置詞を入れてしまったり、入れるべきところに入れなかったりして、カタコトの英語という印象を与えてしまうからです。動詞を覚えるときは、単語の和訳を暗記するだけではなく、ぜひ使い方も一緒に覚えてください。
間違えやすい目的語の例
searchという単語は「サーチライト」にも使われていて、覚えやすいと思います。名詞と動詞がありますね。とはいえ、動詞は「捜す、捜索する」だと知っていてもそれで充分ではありません。
They searched the house.
どんな意味になると思いますか。houseがsearchの目的語ですね。「彼らはその家を探した。」でしょうか。
この文の意味は、「彼らはその家を家宅捜索した。」となります。
他動詞としてのsearchは、目的語として探す場所を取るということですね。
searchには自動詞としての用法もあり、「証拠を探した」と言いたければ次のようになります。
They searched for evidence.
「家宅捜索して証拠を探した」とひとつの動詞で言うこともできます。
They searched the house for evidence.
間違えやすい自動詞/他動詞
reachにはいろいろな意味がありますが、「到着する」を見てみましょう。
「彼はトロントに到着した。」をreachで言うとどうなるでしょうか。 
He reached Toronto.
「到着する」という意味では他動詞の用法なので、前置詞が付きません。
arriveやgetも到着するという意味で使うことができますが、自動詞なので前置詞が必要です。
He arrived at Toronto.
He got to Toronto. 
動詞によって異なる前置詞を使うことにも要注意ですね。
「これは自動詞だ。」とか「他動詞だ。」と覚えるのも悪くありませんが、両方の用法を持っている動詞も少なくありません。
フレーズで頭に入れておくのがおすすめです。自動詞なら名詞を続けるとき前置詞が必要ですし、他動詞なら直接名詞を取ります。何度も口ずさんで感覚を掴んでおきましょう。 
間違えやすいものをいくつか挙げておきます。
discuss 
意味:議論する 【他動詞】
ex. discuss the matter(その件について話し合う。)
agree 
意味:同意する 【主に自動詞】
ex. I agree with you about the matter. (その件に関してあなたに賛成です。)
wait 
意味:待つ 【主に自動詞】
ex. I waited for her. (私は彼女を待った。)
notice 
意味:気づく 【主に他動詞】
ex. She noticed the difference. (彼女は違いに気づいた。)
laugh 
意味:笑う 【主に自動詞】
ex. Don’t laugh at his mistake. (彼の間違いを笑わないで。)
練習問題
( )の中に入れる適切な動詞を下から選んでください。必要なら形を変えてください。
1. We have to (   ) about her school.
a) discuss  b) talk  c) story
2. Their children will (   ) after them.
a) care  b) help  c) look 
3. Most of the members (   ) my approach.
a) agree  b) approve  c) laugh
4. He (   ) the key in the drawer.
a) search  b) find  c) look 
5. The singer (   ) the group.
a) participate  b) join  c) take part
6. They finally (   ) to the conclusion.
a) come  b) reach  c) decide 
7. I (   ) a strange man yesterday in my neighborhood.  
a) talk  b) listen  c) notice 
8. He was (   ) a visitor in his office.
a) wait  b) expect  c) speak 
9. You should (   ) that job.
a) appoint  b) apply  c) try
10. It was dangerous so I wanted to ( ) to him.
a) attention  b) warn  c) talk
解答・解説
1. b) talk
動詞が必要なのでaかbだが、aboutをつけられるのはb。discussは他動詞なので前置詞は不要。
意味:私たちは彼女の学校について話さなければならない。
2. c) look
afterを付けて意味を成すのはlookのみ「世話をする」の意味ではtake care ofも使えるが、ここには入らない。
意味:彼らの子供たちは彼らの世話をする。 
3. b) approve/approved
「私のアプローチに賛成」とagreeを使っていうならwithが必要。approveなら「承認する」という意味で直接目的語を取れる。
意味:ほとんどのメンバーが私のアプローチを承認している/承認した。
4. b) finds/found
searchやlookを使って「~を捜す」の意味にしたければ、前置詞forが必要。
He searched the drawer for the key. (彼はカギを求めて引き出しを探した)なら可能。
意味:彼は引き出しの中にカギを見つける/見つけた。 
5. b) joins/joined
participateもtake partも後に前置詞inが必要。
意味:その歌手はそのグループに加わる/加わった。 
6. a) come/came
reachならtoが要らないはず。
意味:彼らはついに結論に達する/達した。 
7. c) noticed
talkやlistenなら前置詞が必要。
意味:私はきのう近所で見知らぬ男に気づいた。 
8. b) expecting
waitやspeakなら相手となる人の前に前置詞が必要。be動詞があるので進行形にする。
意味:彼は事務所で訪問者を待っていた。 
9. c) try
appointが「任命する」という意味で直接目的語として取るのは人。applyで「仕事に応募する」と言いたければforが必要。tryなら直接目的語を取れるし意味も通る。
意味:あなたはこの仕事をやってみるべきだ。 
10. c) talk
want toの後に動詞が必要。warnとtalkは名詞としても動詞としても使えるが、warnは他動詞なので直接目的語を取り、前置詞は不要。
意味:危険だったので彼に話をしたかった。
| ライタープロフィール●外国語人 | |
|  | 英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 | 















 
        
        
         
        
         
       













 
  

 
   
   
      